当院での治療例/腫瘍科
Case.01
- 肝臓腫瘍の切除
■ ボーダーコリー×Wコーギーの雑種犬 16歳齢 去勢雄
2ヶ月程前に起立不能になったとの主訴で本院初診。 血液検査、X線撮影、腹部超音波検査により、肝臓外側左葉に10cm大の腫瘤が確認された。 CT撮影により腫瘍の部位の確定、大血管の巻き込み等を確認し、切除可能と判断されたため、外科切除を行った。 |
CT撮影時の腫瘍(緑) |
CT撮影時の腫瘍(緑矢印) |
摘出された腫瘍の病理組織検査結果は中心部に出血・壊死を含む肝細胞腺腫、完全に切除されているため良好な予後が期待されるとのこと。
症例は経過良好のため術後3日で退院、オーナー様から現在は以前より元気になったとの報告あり。
Case.02
- 口腔内腫瘍(悪性黒色腫:メラノーマ)の切除
■ ミニチュアダックス 12歳齢
歯肉炎、口臭を主訴に本院来院 左下顎に腫瘍を確認し、切開生検にて悪性黒色腫(メラノーマ)と診断 |
リンパ節転移、遠隔転移所見を認めなかったため 左下顎犬歯後方から顎関節までの切除、下顎リンパ節の廓清をおこなった。 |
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術後1日で自力摂食可能。 |
切除後の病理診断にてマージンフリー、リンパ節への浸潤は認められなかったため、現在も良好な経過をたどっている。
Case.03
- 肺の腫瘍切除(腺扁平上皮癌)
■ 10歳齢のスタンダードプードル
間欠的な咳を主訴に本院来院 |
X-rayにて右肺中葉に孤立性のマス陰影を確認 |
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細胞診で悪性を疑う所見があり肺葉切除をおこなった。 | |
病理組織診断にて腺扁平上皮癌、切除マージンフリー
術後7日ICUでの管理後退院
良好な経過を辿っている。
Case.04
- 平滑筋肉腫
■ 12歳齢の雑種犬 避妊雌
左体壁にできた大きな腫瘍を主訴に本院来院。 細胞診により腫瘍は平滑筋肉腫と診断された。 |
領域リンパ節正常、明らかな遠隔転移所見は認められなかった。 腹部超音波にて腫瘍は横隔膜の一部、左腎および尿管、左副腎を巻き込むように存在していた。 腫瘍の増大に伴い、座る際に痛がるなど一般生活に支障をきたしていたため腫瘍とともに肋骨、横隔膜の一部、左腎および尿管、左副腎の摘出をおこなった。 |
腫瘍自体の重さで1.7Kg |
腹膜への浸潤が広範囲にわたっていたため、腹膜の切除後メッシュにより補填した。 |
副腎・腎臓からの影響を考え内科治療をおこない、術後2日から一般状態に問題なく、術後10日で退院し現在も良好な経過を辿っている。 |
Case.05
- 神経内分泌癌の切除
後肢の跛行を主訴に来院し、検査時に発見された腹腔内腫瘍
腫瘍は大型で、周囲組織との癒着が多く認められた。 |
底部癒着を剥離し切除 |
腫瘍は病理組織検査にて神経内分泌癌 |
腫瘍切除により、元気・食欲等一般状態が大幅に改善された。
Case.06
- 肺腫瘍切除を行った一例
間欠的な咳を主訴に当院来院 |
胸部X-ray・US検査により右肺後葉の孤立性腫瘍を確認 | |
飼い主様と相談の上、治療オプションの中から最短での肺葉切除を選択 | |
腫瘍を切除後ドレーンを設置 術後X-ray |
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病理組織検査の結果『肺腺癌』 脈管浸潤橡を認めず、完全切除との判定であった。 |